生まれて初めて別荘を持つ vol.3 〜道作りから完成まで〜

標高1600メートル、1月の極寒のなか、約100本近い木の伐採を終えたMさんの別荘地。

 

しかし急な傾斜や窪地、水の流れる沢まであり、道を作るには難所だらけ。

ここからが作業本番です。

 

※ここまでのストーリーはコラム「生まれて初めて別荘を持つ」vol.1とvol.2をお読みください。

 

急斜面と窪地にどうやって道を通す?

Mさんの別荘地の造成で一番の難題は、土地が広い範囲で窪んでいるということ。

 

建築予定地は平らな場所から急斜面になっていて、このままだととても危険ですし、建物を建てることができません。

また、建物に辿り着くまでの道も平らに、歩きやすくしなければなりません。

 

コンクリートを流してしまうのは簡単かもしれないけど、土の地面を人工物で固めてしまうことは避けたい施主のMさん。

ここでも、この土地の植生を知り尽くした林業のプロ。

有限会社天女山の長嶋さんと渕上さんが大活躍してくれます。

 

二人が提案したのは、傾斜や窪地を川砂や小石の混ざった土砂で埋めるというアイディアです。

しかし、それには相当な量の土砂が必要で、別の場所にある土砂をダンプカーで何往復もかけて運ぶ必要があります。

凍った盛り土を崩しながらの運搬

 

さらに、山積みの土砂を運ぶ時には、寒さによる新たな課題が。

なんと盛り土の表面が凍っているではありませんか。これはとても珍しいことだそうです。

大体20センチほどでしょうか、カッチカチに凍りついた盛り土の表面を重機で崩すという大変な作業が加わります。

幸い、凍っていたのは表面だけで、無事に大量の土砂を現場へピストン運搬することができました。

この作業だけで丸々2日間を要したそうです。

表面がカチコチに凍りついた盛り土

 

水の流れる沢にどうやって道を通す?

横殴りの吹雪に見舞われながらも、作業は続きます。

そもそも、なぜこんなに寒い時期に作業をするのでしょう、と疑問に思われる方も多いかも知れません。

 

今回の場所は静かな別荘地で、春夏秋の過ごしやすい季節はおおくの人が各々の別荘にくつろぎにやって来ます。

そんななか、大きな音や振動を発する工事は極力避けたいもの。

なので必然的に、別荘地の工事は極寒の冬の時期に行われることがおおいのだそうです。

見えないところで、過酷な環境で作業をされている、現場で働く方々に敬意を感じずにはいられません。

 

さて、Mさんの土地のもう一つの難関は、水の流れる沢でした。

自然の水の流れを堰き止めるわけにはいきません。

そこでプロのお二人が考えたのは、沢の水が滞りなく流れるように、地中に管を通すことでした。

沢に水を通すため地中に埋める管

 

写真提供:有限会社天女山

 

写真提供:有限会社天女山

 

ついに完成!窪地と急斜面がなだらかに

さあ、道作りも完成が近づいています。

 

この日も、広範囲にわたる窪池にひたすら土砂を流し込み、なだらかな道を作っていきます。

表面は砕石を敷きならし、重機と手持ちの転圧機で丁寧に仕上げていきます。

重機での砕石敷きならし・転圧作業

 

手動でも丁寧に転圧

 

そしてついに、道が完成しました!!

完成した道

 

100本近いカラマツの生茂る雑木林の木の伐採から、この美しい道が完成するまで要した期間は約1週間。

まさに神技です。

 

工事を担当されたお一人である渕上さんに、作業を終えた後の率直な感想を伺ってみました。

「別荘地でこうした大掛かりな作業道の作設や整地、砕石敷きに携わるのは初めてだったので、自分自身も勉強になり、良い経験になりました。

日に日に景色が変わっていく様子が楽しかったです。Mさんの別荘作りの始まりに携わることができて、自分自身もワクワクしながら作業をしました!今後、どのようなお家が建つのか楽しみです」

とのことです。なんと爽やかな・・・!

 

今回、別荘地の造成という、私のこれまでの人生の中でまったく触れたことのない世界を間近で見ることができ、実に驚くことばかりでした。

私たちが普段快適に暮らしている道や建物を、誰がどのように作っているのか。

想像以上に過酷で、しかも人目にほとんど触れることなく、黙々と作業される職人の方々の知恵と技術、さらにはお人柄に、感動すら覚えました。

 

もうすぐMさんの別荘地にも暖かい風が吹く頃です。

その時には100本近く伐採したカラマツの木を薪ストーブの燃料として使うために、チェーンソーを使った玉切り体験をしてきます。

 

自然に感謝し、無駄なく使わせていただくこと。

使われていない土地を生かし、自然に感謝し、共存しながら生きていくことの大切さも感じさせてくれました。

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