八ケ岳山麓の森の中で見つけた築46年の格安物件の敷地整備やリノベーションに取り組む筆者によるコラム。
今回は敷地内に堆積した落ち葉を焼却処理して焚火や料理を楽しんだ様子を取り上げます。
安全に燃やす ①屋外水道は必須
森の中での落ち葉焚きで気を付けたいのが山火事。
火災発生の危険は、石で覆われた河原で焚火するよりも数段高まります。
空気が乾燥して風が強い日はあっという間に周囲の落ち葉などに燃え広がり、手が付けられなくなります。
筆者が購入した物件は当初、屋外に水道がなく、庭で火を燃やすときは台所の水をくんだバケツを消火用に用意していました。
ただ風などで燃え広がった火を消す場合、いちいち台所まで水をくみに行っていては間に合いません。

焚火をするときは常に火災の危険を意識することが大切
そこでこの夏、地元の水道屋さんに頼んでウッドデッキの横に小さな水道を付けてもらいました。費用は4万円ほど。

小さな水道だが、その価値は無限大
焚火の消火以外にも、野外料理に手洗いにと、いちいち靴を脱いで部屋に上がらなくても済む便利さを実感しています。
田舎暮らし物件では外水道は必須。できれば建物の全面と後面など二箇所にあるとさらに便利かと思います。
安全に燃やす ②無煙炭化器は万能選手!
いろいろな場所で焚火を楽しみたいときに筆者が愛用しているのが「無煙炭化器」と呼ばれる燃焼機器。
丈夫なステンレス板をドーナツ型に成形したシンプルな道具ですが、燃焼効率が非常に高く、枝や落ち葉、もみ殻など、乾燥していれば基本的に何でも燃やすことができます。
周囲への延焼を抑えられるため山火事防止にも効果的。
サイズは数種類あり、普段使っているのは直径60センチほどの中型タイプで、大き目の倒木や枯れ木などを燃やすことが多いフィールド整備で活躍します。
もちろんキャンプでも使えます。
この無煙炭化器と好相性なのが「大き目の丈夫な網」。上に載せるだけで、無煙炭化器を調理用の熱源に変身させる優れモノです。

最強の組み合わせとなる無煙炭化器と丈夫な網
高い薪を買わなくてもフィールドでは燃やすものは無限。
自分で集めた落ち葉や枯れ枝でお湯をわかしたり、パーコレーターでコーヒーを入れたりするだけでも、原始的な欲求が満たされます。
大き目の丈夫な網なら、お湯を沸かしている横で、煮込み料理などを入れた大鍋を載せることもできます。
無煙炭化器の中に大き目の薪を何本か入れておけば、一日の仕事が終わったころには大鍋の中で熱々の料理が出来上がっているはずです。
筆者は使わなくなったペット用の鉄製ゲージを分解して、無煙炭化器や焚き火用の網として愛用しています。
市販のバーベキュー用の網よりも大型で丈夫なので、重い鍋を使って焚火料理をするときに重宝しています。
焚火料理の醍醐味
今回は敷地内に積もった落ち葉を清掃するかたわらで、落ち葉の焼却処理も兼ねて焚火料理も楽しんでしまおうというプラン。
10年程前にホームセンターで購入したものの、ほとんど使う機会がなかったダッジオーブンを久しぶりに引っ張り出してみました。
メニューは家にある食材で手軽にできるポトフに決定。
前回コラムで紹介した落ち葉集めがひと段落したところで、屋外水道でジャガイモやニンジン、タマネギなどの野菜を洗って大き目に切り、ウインナーと一緒に水を張ったダッジオーブンに放り込みます。
味付けはハーブと岩塩のみ。

たくさんの具材をダッジオーブンに入れて煮込むだけの手抜きポトフ
たっぷりの具材や水が入ったダッジオーブンは相当な重さ。思わず「よっこらしょ」と声を出して持ち上げて、無煙炭化器に載せた網の上に置きます。
後の調理は勢いよく燃える焚火の炎に任せてしばらく放置。厚手で重いダッジオーブンが野菜のうまみを引き出してくれる…はずです。
細かな火加減や吹きこぼれなどは気にしなくても、大き目の薪を数本入れておけば、火床が安定した「おき」になり、トロ火で煮込み続けてくれるのが焚火料理の魅力。ガス代を気にしなくても良いのもうれしい点です。
焚火向けの調理器具とは?
焚火は火力調節が難しく、特に今回のように落ち葉や焚き木が湿っている場合は、最初にかなり勢いよく燃やさないと火勢が安定しません。
持ち手や蓋のつまみ部分がプラスチック製の家庭用鍋だと、鍋肌から炎が回り込んでプラスチック部分が解けてしまいます。また焚火はどうしても煤が出るので鍋が真っ黒になるのが避けられません。
ダッジオーブンは、こうした過酷な焚火料理に好適だと今回あらためて感じました。
ほかにも筆者が愛用しているのが、吊り手の付いた昔ながら大鍋や飯ごう。両方ともダッジオーブンと同じように焚火の炎に包まれてもお構いなしの丈夫さです。

頑丈な吊り手付きの大鍋。焚火を使ったタケノコの下茹でや山菜のアク抜きにも重宝する
飯ごうは前時代的な野外グッズにも見えますが、内蓋が付いているのでご飯をふっくら炊くのに最適。
ほかに中華鍋や業務用の寸胴鍋、鉄瓶なども焚火と好相性で、共通点は「オール金属製」「肉厚で頑丈」の二点です。
「屋根付きかまど」が理想
落ち葉や枯れ木、枯れ枝、それに流木などを燃料にする焚火は、扱い方によっては優れた調理や暖房の手段になります。
また災害時の頼もしいエネルギーインフラでもあります。ただ屋外での焚火は、寒い時期や雨天時にはそれなりの気合が必要。
そこで筆者が今後作りたいと考えているのが屋根付きのかまどスペースです。
昔の家庭で一般的だった「土間にかまど」というスタイルが最も便利ですが、物件の間取り的に難しいので、敷地内に屋根付きのかまどを作ろうという狙いです。いつ着手できるかは未定ですが…。
とりあえず始めたのがすぐに使える薪の確保。敷地内の雑木や低木を伐採したり、刈り払ったりしたときに出た幹や枝を屋根付きウッドデッキの下に並べて乾燥させることにしました。

フィールド整備で出た剪定枝などを床下でストック
薪ストーブで燃やすには最低でも一年程度の乾燥が必要ですが、焚火なら少しくらい湿っていても問題ありません。
まだまだ始まったばかりのフィールドでの焚火ライフ。やりたいことは目白押しです。

焚火でじっくり煮込んだポトフを鍋ごと自宅に持ち帰って晩御飯に。ダッジオーブン調理は安定の美味しさです