八ケ岳山麓の森の中で見つけた築46年の格安物件の敷地整備やリノベーションに取り組む筆者によるコラム。
今回は敷地内に厚く堆積した落ち葉の除去や、落ち葉の処理を兼ねた焚火料理を取り上げます。
湿気+蚊の発生
これまでのコラムでも取り上げたことのある敷地内の落ち葉掃除。
40年以上に渡って降り積もった落ち葉は、一部が腐葉土化し、依然としてかなりのボリューム感で堆積しています。
5月掲載の当コラムでは駐車スペースの落ち葉を取り除いて車を停められるようにしましたが、家の周りにはまだまだ大量の落ち葉が積もっています。

玄関へのアプローチも落ち葉だらけ。夏場は蚊の温床になる。
「森の中だから落ち葉があって当たり前では?」という声も聞こえてきそうですが、降り積もった落ち葉によって家の周りが湿気やすくなり、とくに夏場は蚊が出やすくなります。
近年の温暖化で八ケ岳山麓でも毎年、蚊の発生期間が長くなっており、今年はこの記事を書いている10月下旬でも蚊が飛んでいます。
また家の周りが湿気ると室内外にかびが生えやすくなり、建物自体も傷みやすくなります。さらに屋外でさまざまな作業を行うにしても、落ち葉が積もっているとやりにくいなどの不便さもあります。
個人的には最低でも建物の周囲5メートル程度は落ち葉を取り除き、砕石を敷いたり、芝生を張ったりして周囲の森林土壌と区別し、水はけと風通しを良くしたいと思っています。
ただ砕石を敷くにしても芝生を張るにしても、まずは落ち葉や腐葉土を取り除いて地面を出すのが先決です。
「落ち葉焚き」で虫&動物避け
5月掲載のコラムでは集めた落ち葉をシートに載せて、そりのように引きずりながら周囲の林に運び出す作業を取り上げました。
この方法は一度に大量の落ち葉を運べますが、一人で行うと手間と時間、何より体力を消耗します。

広げたシートに落ち葉を載せて、そりのように引っ張って運ぶ方法
そこで今回は最もシンプルで原始的な処理方法である「落ち葉焚き」をすることにしました。
集めた落ち葉を山にして、その場で燃やしてしまえば運ぶ手間もなく、さらに立ち込める煙で虫よけ効果も期待できます。
虫や動物は基本的に煙や炎を嫌います。普段は無人にしていることが多い私の山小屋。ときどき盛大に焚火をして、建物や敷地に煙の臭いをしみこませたいと常々考えていました。
そして落ち葉は貴重な燃料。ただ燃やすだけではもったいないので、10年程前に購入以来、一度しか使っていないダッジオーブンを引っ張り出してみることにしました。

「いぶし効果」で防虫対策を期待!
熊手で落ち葉集め
まずは熊手を使って落ち葉を集めをスタート。

熊手で地面をかくと、ごっそりと集まる落ち葉

フィールド整備で活躍する熊手たち。
真ん中は枝や小石も集められるステンレス製の頑丈タイプ。
左は「平線」と呼ばれるタイプで、爪先が柔らかいので石を拾わずに逃がし、落ち葉だけを集めてくれる優れモノ。
右はプラスチック製で軽く、女性にも扱いやすいタイプです。
今年の秋は気温が高く、雨も多かったため、落ち葉は湿っていて重く「本当に燃えるだろうか?」と不安が募ります。
家の周りを一周するような形で熊手を使って落ち葉をかき集め、要所要所に小山を作ります。
このとき邪魔をするのがササやクズといった地面に隠れている植物の根。熊手に引っ掛かって思うように落ち葉を集められず、イライラします。

落ち葉集めを妨げる笹や草木の根
家の周りは以前、刈払機で草を刈ったつもりでしたが、その後成長してしまったようです。「事前に邪魔になる草や根を刈っておくべきだった」と激しく後悔。
この日は刈払機を持ってこなかったため、車で10分ほどの自宅まで急いで取りに戻ります。
その日行う作業をしっかりイメージできていないと必ず忘れ物やミスをするというのは、普段の仕事と同じ。気を取り直して作業を再開し、高さ50センチほどの落ち葉の小山を1メートル程の間隔で作っていきます。

邪魔な草木を刈払機で除去
いざ着火 しかし燃えない…?!
落ち葉の小山がいくつかできたところで、そのうちの一箇所で最初の落ち葉焚きをスタートします。
近くに置いた「無煙炭化器」の中に落ち葉を山盛りにしてライターで着火。
しかし湿った落ち葉は一瞬火が付いただけですぐに消えてしまい、燃え広がりません。
「無煙炭化器」については後編で詳しく取り上げますが、燃焼効率が良く、乾いた薪や落ち葉ならあっという間に炎が上がるはずでした。

難航を極める湿った落ち葉の着火
そこで焚き付け用に持参した牛乳パックを細かくちぎって火種を作り、なるべく乾いた落ち葉を載せて少しずつ炎を広げます。
パチパチと音を立ててきたところで息を吹きかけて炎を大きくしようとしましたが、息を吹き続けないと火が消えてしまいます。何度か繰り返しても同じ。
「これでは日が暮れてしまう」と焦り始めたとき、ふと目に留まったのが、エンジン式のブロアー。
草刈りなどの仕事で現場を片付けるときに使う道具で、今回も持ってきていました。
「これを使おう!」。
ブロアーで強制燃焼!
エンジンを掛けてスロットルを握ると力強い風が送り出され、無煙炭化器の下に当てるとこれまでとは打って変わって大きな火柱が吹き出てきました。
ある程度、火勢が強まったところで敷地内に転がっている小枝や太めの枯れ枝を無煙炭化器の中にどんどん放り込みます。
ブロアーの風を緩めるとすぐに火が消えてしまうので、飛び散る火の粉に気を付けながら、なおも強風を送り続けると、ようやく太枝にも燃え移って火勢が安定してきました。
まさに強制燃焼。若干ルール違反のような気もしましたが、今回は背に腹は代えられないということで、ブロアーを使って強引に火を付けました。

エンジン式ブロアーで風を送り強制燃焼
場の空気が再び動き出す
時期的に蚊が少なかったので、焚火による「いぶし効果」は、はっきりとは分かりませんでしたが、この場所に炎と煙が上がったのは何年ぶりでしょうか。
少し大げさかもしれませんが、止まっていた時の流れが再び動き出し、新たな暮らしの営みが始まったようで感慨深いものがありました。
部屋の中を片付けていた妻も自然と焚火の近くに寄ってきます。「火の力ってやっぱりすごい」とあらためて実感しました。

薪の形にこだわらず、剪定した木の幹や枝も次々に燃やす
次回の後編では焚火で作るダッジオーブン料理や森の中で焚火をするときの注意点、焚火料理で役立つアイテムなどを取り上げます。