八ケ岳山麓の森の中で見つけた築46年の格安物件のセルフリノベーションに取り組む筆者によるコラム。今回は屋根の上に厚く積もった落ち葉を取り除く作業をレポートします。
5センチ厚で堆積
築46年の我が家は、これまで主に別荘物件として利用され、登記簿によると建築後に3回程度、所有者が変わっているようです。周囲がナラやヤマザクラなどの高木で囲まれている一方で、少なくとも10年程度は屋根の掃除が行われた形跡はなし。場所によっては5センチ程度の厚さまで落ち葉が堆積し、一部は屋根の上で腐葉土化していました。

屋根や敷地の整備が放置状態だった築46年の我が家
このままでは落ちてきたドングリなどが発芽して、屋根の上から木が生えてきてしまう可能性も。そこまでいかなくても屋根に積もった落ち葉は建物の寿命を縮め、景観も悪くします。そこで良く晴れた日に思い切って屋根に登り、分厚く積もった落ち葉を取り除いてみることにしました。
ハシゴ設置は慎重に
用意した道具はデッキブラシ、熊手、吐き出した落ち葉を受けるための手箕(てみ)とブルーシート。さらに長さ10メートル程度のゴムホースを用意し、台所の水道の蛇口につなげました。
まず建物の軒にハシゴを掛けます。屋外でのハシゴの使用で気を付けたいのが転落事故。ハシゴは左右の脚が地面に水平に付いていないと横方向に倒れやすく危険です。コンクリートのような平らな地面なら良いのですが、土の上にハシゴを立てる場合は、左右どちらかに沈み込むことが多く、上段に登ったところで傾き出して転落する事故が跡を絶ちません。
土の上にハシゴを立てる場合、最初に一段目に両足を載せ、左右の脚を地面に潜らせるように体重を掛けてなじませます。それでも左右が水平にならない場合は左右どちらかの脚のうちの高い方の地面を少し掘ってやるとガタつきが解消されます。

登る前に一度、体重を載せてハシゴの脚を地面になじませる
地道にコツコツと…
まずはホースの口を指で押さえて水流を強め、積もった落ち葉に勢いよく水を当てて洗い流す方法にトライ。しかし厚く積もった落ち葉は簡単には流れてくれません。それどころか屋根が濡れて滑りやすくなり、作業が危険になってしまいました。高圧洗浄機を使えば洗い流せたかもしれませんが後の祭り…。
そこでデッキブラシを使って屋根の上の方から下に向けて、少しずつ落ち葉を押し出す作戦に変更。屋根の端まで落ち葉をこそげ落としたら、ブルーシートや手箕で受け止めて集め、屋根の端まで慎重に運んで地面に向けて投げ落とします。

デッキブラシを使った落ち葉の除去作業
分厚く積もった落ち葉は屋根にこびり付き、かなり力を入れてこすらないとはがれません。足を滑らせないように姿勢を低くした体勢で力を込めてデッキブラシを動かす作業は疲れますが、落ち葉の下から屋根が現れてくると俄然やる気がわいてきます。

塩ビ波板の上は熊手で清掃
一方、ウッドデッキ部分の屋根に使われている塩ビ波板は、強度不足で上にのることができないため、長い柄のついた熊手で押し出して地面に落とすことにします。
蘇った光沢
こうした作業を1時間ほど続け、ヘトヘトになった頃、なんとか屋根全体の落ち葉掃除が完了。最後にホースで全体に勢いよく水を流すと、木漏れ日を反射してピカピカ光る屋根が現れました。

輝きを取り戻した屋根
平屋建てとはいえ高所作業の緊張が続いただけに、満足感はひとしお。蘇った屋根の光沢を眺めながら、文化財の修復を終えたような感慨にしばしふけります。
転落防止対策
今回、屋根掃除を行うにあたって心掛けたのが転落防止。と言っても今回は屋根の傾斜が比較的緩かったので特に対策はせずに「気を付けて慎重に行う」という心構えで行いました。
田舎暮らしでは落ち葉掃除をはじめ、薪ストーブの煙突の手入れや、キツツキが軒先に空けた穴の修理など屋根の上での作業は少なくありません。屋根からの転落は二階建てはもちろん、平屋でも大けがにつながるため、不安がある場合は、専門業者などに任せた方が無難と言えます。
一方、屋根の上での作業における転落防止対策では、ロープで確保しながら行う方法もあります。この場合、ロープを固定するための支点には、建物の近くの木や、軒先に取り付けた専用の金具を使います。ただハーネスや確保器といった墜落防止器具が必要で、ロープを含めて扱いに習熟していないと逆に危険を伴なう可能性があります。
今回はそうした道具を使わない代わりに、「とにかく滑りにくい靴」を履きました。選んだのは濡れた岩の上などでも滑りにくい素材をソールに使った米国の「Chaco」というメーカーのスポーツサンダル。

滑りにくい素材をソールに使った「Chaco」のサンダル
「Chaco」のサンダルは本場アメリカのラフティングガイドも使用していて、滑りにくさに加えて丈夫さ、フィット感、歩きやすさの四拍子がそろったフィールドでの頼もしい味方です。
ほかに昔ながらの地下足袋も軽量で足裏感覚に優れ、屋根の上での作業に向いています。一方、靴底が固いブーツは屋根の上では歩きにくく滑りやすいため、向きません。
枝の整理が必要
今回、長年に渡って屋根に降り積もった大量の落ち葉を取り除きましたが、林の中に建てられた建物だけに、今後も定期的な掃除が必要になりそうです。
また建物の上に大きく張り出している木々の枝から毎年たくさんの葉が屋根に落ちてくるため、剪定や枝降ろしの作業も早めにしたいところ。建物の周りを取り囲む木々の枝は風通しを妨げ、夏場は蚊の発生も招きます。

屋根に向けて枝を張り出している建物周りの木々
次回のコラムでは建物を取り囲む木々の枝を切り落として整備する作業をご紹介します。