購入した「格安物件」の敷地回りの整備を取り上げた前編に続いて、後編では防犯対策や隣人などとのトラブルを避けるための心掛けを考えます。
田舎の防犯対策

筆者が住む八ケ岳山麓は都会と比べると犯罪は非常に少なく、基本的に平穏です。ただ最近では太陽光発電施設の銅線ケーブルや農機具を狙った窃盗事件、車上荒らしなどがしばしば起きており、住民の警戒感も以前より高まっていると感じます。
移住者や来訪者の増加、社会情勢の変化などを考えると、今後はこれまで以上の防犯対策が必要になりそうです。そこで今回の中古物件購入にあたり、自分なりにできることを考えてみました。
必須のセンサーライト 屋外電源も重要!
街灯や隣家の明かりがない森の中の家は、街中と違って夜は漆黒の暗闇に包まれます。例えば夜間帰宅した場合、車から降りて玄関ドアの鍵穴を探すだけでも一苦労…という事態になります。
そんなときに頼もしいのがセンサーライト。ひとの接近を赤外線で感知し、自動でLEDライトが点灯します。日常生活でも防犯面でも役立つアイテムで、田舎では多くの家が屋外に取り付けています。
おすすめは場所を選ばずに取り付けられるAC電源を必要としないソーラー蓄電池タイプ。家の外壁に何箇所か付けておくと、夜間にちょっと外に出た時などに、足元や手元が明るくなり、防犯にも役立ちそうです。フリマサイトなどで販売されている安価な製品でも十分な光量を備えたタイプがあります。
ただソーラー蓄電池タイプは当然ながら日が当たらない場所では使えません。筆者が購入した物件は玄関ドアが北側にあり、周囲の樹木にさえぎられてほとんど日差しが届きません。偶然、玄関ドア近くにガス給湯器用の屋外コンセントが3口あり、そのうち一口が空いていたので、そこから電源を取って玄関ドア上部にセンサーライトを取り付けることができました。

夜間の出入りにも役立つセンサーライト
今後は日当たりや屋外電源の位置などを考慮しながら、ソーラー蓄電池タイプを含めてセンサーライトを増設していきたいと考えています。
ちなみに庭先で電動工具を使う場合なども屋外電源が役立ちます。また家庭菜園を含めて外仕事が増える田舎暮らしでは、屋外水道も必須。中古物件の購入時は屋外電源や屋外水道の有無などを確認するのがおすすめです。
ちなみに筆者が購入した物件は屋外水道がないため、増設する予定です。
「立ち入り禁止」の意思表示!?
都会と違い、森の中の別荘や住宅では、敷地全体を柵や塀、フェンスなどで囲っているケースはほとんどありません。防犯上の必要性が薄いことに加え、一般的に敷地面積が広く、土地に傾斜がある場合が少なくないため、施工が難しく、費用もかさむことなどが理由に考えられます。
ただ人や車の無断侵入を防ぐため、長期不在時などに敷地の入り口にチェーンやロープを張っている人は少なくありません。法律上も「立ち入り禁止」の意思が示された土地に無断で立ち入った場合、不法侵入の罪に問いやすくなるようです。
そこで筆者も作業が終わって帰るときには敷地入り口に細いロープを張ることにしました。目立つようにピンク色の測量用テープを三箇所吊るしてあります。これだけで「私有地なので立ち入り禁止です」という意思が示されたように感じました。
ただ逆に「長期不在感」も出てしまったように感じます。犯罪を企てる人たちの心理にはどう働くのか結局、よく分からないというのが正直なところです。
敷地の入り口に張ったロープ
より高度な対策としてWi-Fi接続でスマホから遠隔監視ができる防犯カメラもあり、八ケ岳山麓でも自宅で使っている人がいます。
ちなみに筆者は市販の防犯ステッカーを玄関ドア付近などに張ってみました。こちらも効果は不明ですが「防犯対策に力を入れている」というアピールにはつながりそうです。

玄関に張った防犯用ステッカー。効果は未知数…
隣人トラブルを防ぐ ① 境界問題
地方への移住者や二地域居住者の間で少なくないのが隣人トラブル。八ケ岳山麓に住む私の周りでも、ざっと半数近くが隣人との関係が良好とは言えません。
①性格の不一致や互いのライバル視②道路の通行をめぐるトラブル③敷地の境界をめぐる問題④騒音への苦情…など原因はさまざま。せっかく自然環境の良い場所に土地や家を手に入れても、隣人との関係が悪いと息苦しくなってしまいます。
田舎とはいえ、ぽつんと一軒家のようなロケーションは意外と少なく、地元住民も含めて近隣に他の家があるケースが大半。①のような理由は、解決がなかなか難しいですが、例えば③については、土地の購入時点で明確にしておくと将来のトラブルが防げます。
田舎でよくあるのが、土地の境界杭の位置が分からなくなってしまう問題。杭の上に落ち葉や土が長年積もって探し出せないケースが少なくありません。また土木工事などの際に、重機で誤って杭ごと土を掘り起こして紛失してしまう場合もあります。
「たしか昔この辺りに杭があったはず…」という記憶を元に落ち葉や土をかき分けて、古ぼけたコンクリート杭が見つかることもありますが、見つからない場合もあります。普段の生活に支障はありませんが、土地の売却や境界をめぐるトラブルになった場合、数十万円の費用を掛けて再度測量を行う必要が生じる可能性があります。
こうした事態を防ぐため、土地購入時に境界が明確になっている場合は、恒久的に残るような大き目で目立つ境界杭を自分で打ち足すと安心です。その杭の横に鉄製の長めの棒などを打ち込んで赤色などのスプレーを吹き付けておくと、さらに安心感が高まります。

埋もれやすい境界杭は、しっかりと温存させたい
隣人トラブルを防ぐ ② 騒音問題
隣人トラブルで意外と多いのが騒音問題。田舎に来ると気が大きくなるのか、庭やデッキの上で大音量で音楽を流す人が少なくありません。私自身が八ケ岳山麓で見聞きした例では、
・住宅に隣接する私設美術館が開催した屋外ウェディングパーティで、大型アンプを使った大音量の音楽を流して住民から苦情が寄せられ、パトカー出動の事態に発展
・住宅に隣接する公園の運動場で、屋外アンプを使って大音量の音楽を鳴らしながらサッカー練習を一部利用者が行い、近隣住民の不興を買った
などがあります。
静かな田舎にいると、自分たち以外には周りに人がいないと錯覚してしまうことがあります。しかし森の中などで周囲に家が見えなくても、大音量の音は意外と遠くまで響くことに注意が必要です。
鳥のさえずりや木の葉のさざめきを求めて移住や二地域居住をしているのに、風に乗って他人の人工音が伝わってくるのは不快以外の何物でもありません。
こうした問題を書いたきっかけは私自身が今回、屋外で作業をしながら、ブルートゥーススピーカーでお気に入りの洋楽ロックを大き目のボリュームで流していたからです。
購入した物件は、週末や連休以外は、訪れる住民が少ない管理別荘地の一角にあり、周りの家とは数十メートル離れています。
ただ「もしかしたら他の住民に音が伝わっているかもしれない」と途中で心配になり、慌てて音量を調整しました。

森の中でも周囲への配慮は忘れないようにしたい
自然の中であまり神経質になり過ぎても疲れますが、自己満足で周囲の人に不快な思いをさせては見苦しい…と自分を戒めています。
森の中で見つけた格安物件をDIYで整える作業は始まったばかり。なかなか作業時間を捻出できないのが最大の悩みですが、次回も作業の工夫や気付いた点などをご報告していきたいと思います。