森の中で見つけた格安物件のセルフリノベーションを目指す筆者によるコラム。今回は「はじめの一歩」として、主に敷地回りの整備に取り組んだ様子をレポートします。
次々に現れる仕事…
前回のコラムで、まず手を付けたい作業として挙げたのが「薪ストーブ設置」「不要(支障)木の伐採」「駐車スペース整備」「床下断熱&フローリング張り替え」「天井断熱」の五つでした。
しかし、あらためて敷地を見回してみると、そうした本格作業の前に、優先しなければならない仕事がたくさん出てきてしまい、見通しの甘さを痛感させられました。
まず気になったのが家の周りに大量に積もっている落ち葉。水分を含んだ落ち葉は湿気がたまって建物の傷みを早めるほか、夏場に落ち葉が堆積している光景は風通しが悪く、うっとうしさも感じます。また駐車スペースを作るためにもまず落ち葉を取り除いて地面を出す必要があります。

落ち葉が厚く積もった駐車スペース
落ち葉掃除を省力化へ
造園や林業系の仕事で普段、庭掃除をしている筆者は、落ち葉や枯れ草の処理はお手の物…と思い込んでいました。いつもの仕事と同じように、強力なエンジン式ブロアーで山側に落ち葉を吹き飛ばしてしまえば短時間で片付くはずです。
ところが、さっそくブロアーを持ち込んで試したところ、吹き飛ばせるのは表面だけで、数十年間掛けて厚く積もった部分は湿気を含んでいることもあり、全然吹き飛んでくれません。これは面倒なことになった…。
そこでとりあえず、家の床下に吹き込んで溜まっている軽い落ち葉だけをブロアーで吹き飛ばして外に出します。おそらく家が建てられた45年間で一度も床下の落ち葉掃除がされなかったようで、ホコリまみれになりながらも、大型のごみ袋で5袋分くらいの落ち葉を外に吹き出すことができました。

ブロアーを使った床下の落ち葉の清掃
次に試したのが雪かき用の「スノーダンプ」で落ち葉を山側に押し出す方法。しかし地面から生えたササや細い木に引っ掛かって思うように押せず、山際まで10メートル以上に渡って押し出すのは、かなり大変。結局一回一回、スノーダンプで落ち葉をすくい上げて山側に運んで捨てましたが効率が悪く、これでは丸一日以上掛かりそうです。

効率が悪いスノーダンプによる作業
そこで思い出したのがブルーシートの上に落ち葉を載せ、そりのように引きずって運ぶ方法。林業や造園系の仕事で、刈り取った草を運ぶときによく行われる手法です。シンプルですが、少ない力で一度に大量の落ち葉や刈り草を移動できます。
さっそく車のルーフボックスから、常備している縦横1.5メートル程のブルーシートと熊手、手箕(てみ)の「片付け三点セット」を取り出します。

庭の落ち葉掃除などに活躍する熊手と手箕(てみ)
まずは落ち葉の片付けに入る前に、刈払機を使って、敷地回りに生えている細い草木や地面から飛び出した木の根などを刈り取ります。これは引きずっているときにブルーシートに刺さるとあっという間に破れてしまうためです。「急がば回れ…」と、胸の中で唱えながら、ひたすら刈払機を動かします。
作戦成功!
こうした「掃除系」の仕事は奥から手前側に向けて仕上げるのが基本。まず落ち葉を捨てる山側とは逆側の敷地入り口側にブルーシートを広げ、熊手を使ってその上に落ち葉をどんどんかき寄せていきます。落ち葉が山盛りになったところでシートの四隅を風呂敷のようにまとめて、そのまま抱えて山側に捨てに行きます。

熊手を使ってブルーシートの上に落ち葉を載せて運ぶ作業
今回はシートが小さかったため、そりのように引きずることは出来ませんでしたが、それでも作業効率は一気にアップ。へとへとになりながらも1時間ほど掛けて10回程繰り返すと、目に見えて家の前に積もった落ち葉が減っていきました。
調子に乗って別荘地の共用道路から敷地に入る急なスロープに積もった落ち葉も熊手でかき出し、シートに載せて山側に運びます。このスロープはわだちが深過ぎるため、敷地への車の乗り入れができませんでした。しかし落ち葉を取り除いてみると、現れた土は意外と柔らかく、スコップなどを使えば人力でも簡易的な造成はできそうに見えました。
これまでは敷地前の共用道路に路駐していましたが、敷地の中に停められれば何かと便利。そこで急遽、とりあえず車を停められるように、手持ちの道具でスロープを手直ししてみることにしました。
乗り入れ成功!
使ったのは「唐鍬」(とうぐわ)と呼ばれる小型の鍬のような道具。刃の大きさは畑で使う鍬と比べて小ぶりですが、肉厚に作られています。石混じりの堅い土を掘ったり、木の根をたたき切ったりするハードユースの土木作業向けの道具です。
まずはわだちの中央の山形になった部分に刃を振り込み、土がほぐれたらかき出してわだちを埋めていきます。握りこぶし大の石が次々に出てきたので、今後の敷地整備の資材用に取り分けておきます。木の根や草の根は唐鍬の刃を使ってぶった切り、取り除きます。
土が予想以上に柔らかかったこともあり、わずか20分ほどで、車の腹をこすらない程度までわだちを解消させることができました。熊手を使って表面の土を平にならして仕上げ、とりあえずの完成としました。

手直し前のスロープ

手直しをして車の乗り入れが可能に
こうした傾斜地での道づくりや道直しの場合、通行しているうちに谷側部分の路肩が崩れたり、わだちが沈んだりすることが多いため、あらかじめ谷側部分の土を多めに盛り、何度か車を走行させて転圧すると丈夫な道に仕上がります。
今回手直ししたスロープや駐車スペースには雨天時のぬかるみを防ぐため、今後砕石を敷く予定です。
道具が大切…
DIYによるフィールドや家の整備は、筆者のような素人が行う場合、段取りが悪く何か一つ手を付けると、その作業を完遂させるために必要な別の作業が芋づる式に発生するなど、多くの時間や根気を必要とします。天候にも左右され、忙しい身にとっては、なかなか作業時間を捻出できず、もどかしさやいらだちを感じることもしばしば。
今年のGW中は屋根に積もった落ち葉掃除を予定していましたが、雨で見送りを余儀なくされました。
ただ、いろいろな作業に対応できる道具や資材を揃えておくと、スムーズに進こともあります。筆者は車のルーフボックスに、ブルーシート、小型の剣スコップ、熊手、手箕を常備していて、それらが今回の作業に役立ちました。

フィールド整備で一台は揃えたい刈払機
また、もしかしたら何かに使うかも、ということで刈払機と唐鍬も準備していました。何か道具が足りない場合、ホームセンターなどに買いに走ると貴重な作業時間のロスにつながるため、一通りの道具や資材をスタンバイさせておくのが理想だと感じています。

土木作業で頼りになる唐鍬
こうした道具や資材の調達で筆者がよく利用するのがフリマサイトの「ジモティ」。農業系や林業系の道具が格安、ときには無料で出品されています。使い古したものもありますが、壊れていなければ問題ないので、今後必要になりそうな道具や資材があれば、なるべく先行して調達するようにしています。
今回は目に見えて変化していく面白さを体感できる敷地周りの整備をしましたが、まだまだ始めの一歩でやりたいことは、たくさんあります。家や土地の魅力をアップさせるDIY作業の様子は今後も随時ご紹介していきます。