野山で要注意!!「フィールドでの危険10選」 後編

今回のテーマは「フィールドで遭遇しやすい危険10選」。

後編は「自然災害」を取り上げます。

(ライター=渕上健太)

身近なケガや自然災害 5選!

① 雷

 致命的なリスクのある気象災害の一つが雷。屋外でのスポーツや作業などでは落雷による死傷事故が各地で起きています。雷鳴を聞いたらまずは安全な屋内に避難するのが鉄則。雷注意報が出ているときは特に注意し、事前に避難できる場所を探しておいたり、雷鳴が聞こえたら早めに作業を中止したりしましょう。

 建物がないときは車の中が最も安全とされています。停車した車内で待機するのが安全ですが、河川の増水や土砂崩れの恐れが高まったりする場合などは、早めにクルマを動かして危険が低い場所に退避することも検討します。

 日本大気電気学会発行の「雷から身を守るには」によると、木の下に避難する場合は「4メートル以上の高い木を選び、根元から2~4メートル離れた範囲で、幹、枝、葉先からも2メートル以上の距離を取って姿勢を低くしていれば比較的安全」とのこと。2メートル以上の距離を取らないと木に落雷したときに木から人体に放電が起き、死亡や重症の危険があるとされています。

突然の雷雨。野外で避難するときは車の中が安全

 

② 河川の増水

 落雷事故と同様に毎年、各地で起きているのが河川の増水による災害。「ゲリラ豪雨」や「線状降水帯」など雨の降り方が激しくなっている近年は特に注意が必要です。

 自分がいる場所では雨が降っていなくても、上流の山間部に黒雲が広がっていたり、空気が何となく湿っぽくなったりしてきたら要注意。普段はほとんど水が流れていないような小川でも、押し流されるくらい水が増えたり、土石流が起きたりする恐れがあります。 

 自治体が作成したハザードマップなどを確認して、自分が活動するフィールドの土砂災害の危険性をあらかじめ把握しておくことも大切です。

 車で林道の奥に出掛けて、誰もいない山奥の渓谷で川遊びをする楽しみは格別ですが、大雨によるがけ崩れなどで孤立の恐れはないか?また万一、孤立した場合は車を捨てて避難できる安全な場所が付近にあるか?などを事前に考えておく必要があります。

河川での活動時は増水時の退路を考えておくことも重要

③ 熱中症

 温暖化の進行で熱中症リスクが年々高まっています。農作業や建設業といった屋外での仕事と同じように、敷地の整備や家庭菜園といったフィールドでの活動中にも熱中症への警戒が必要です。

 そうした外仕事は比較的涼しい早朝や日暮れ前などの時間帯にできればよいのですが、週末や限られた休日を利用してフィールドに出掛けていると、そうも言っていられません。そこで熱中症予防のために自分自身が心掛けている点を挙げてみました。

 

①こまめな休憩(必ず日陰で取る)

②水分と塩分の補給

③つばの広い帽子やサングラスの着用

④昼食後の昼寝

⑤顔を流水で洗ったり、首筋や耳に水を掛けたりする。小川があれば足を水につける

⑥長時間の作業では空調服を着用

 

 フィールドでの作業ではエアコンを付けた部屋で休むことはできません。もちろん近くに車があればカーエアコンを効かせた車内に逃げ込むことはできます。ただせっかく自然の中に来たのに長時間、車をアイドリングさせて車内を冷やすことに個人的に違和感を覚えます。木陰に入る、渓流や小川があれば利用する…。こうしたアウトドアらしいクールダウン方法を楽しみたいものです。

 フィールドでの作業では足元の安全のためにトレッキングシューズなどのハイカットブーツを履くことが多くなります。ただ靴の中に足の熱がこもりやすく、熱中症の危険も高まります。そんなときは「素足に地下足袋」といった昔ながらのスタイルがおすすめ。蒸れずに軽快です。つま先部分を強化した「安全足袋」だと安心感が高まります。

昔ながらの地下足袋も夏場の作業にはおすすめ

 

④ 打撲、切り傷

  フィールドでの作業中に多いのが打撲や切り傷といったケガ。野外ではチェーンソーやナタ、ノコギリ、おの(アックス)、刈払機といったさまざまな刃物系の道具を使います。よくあるのが慣れてきたころにけがをするケース。クルマの運転と同じで、油断や過信が思わぬ事故やけがにつながります。

 そうしたケガに備えて、傷口を洗い流すペットボトル入りの水道水や消毒薬、また止血用のガーゼなどを常備しましょう。

 刃物系と比べて意外と油断しがちなのがハンマーやカケヤといった「打撃系」の道具。思い切り振り下ろすと一箇所の打撃点に巨大な力が加わります。DIY作業で釘や木ダボなどを打ったり、土留め用の丸太杭などを打ったりするときは要注意。私の周りにもハンマーを振り下ろしたときに手元が狂って自分の指や足先などに誤って振り下ろしてしまい、大けがをしてしまった知人が何人かいます。振り下ろしたときに石などの破片が目に入る危険もあります。

 刃物系や打撃系の道具を使うときは滑りにくい手袋を付け、手元や足元にしっかりと気を付けて一発ずつ確実に決めていくようにしましょう。目を保護するサングラスや防護眼鏡もそろえたいものです。

 

車内に常備している救急薬品

意外とケガが多い「打撃系」の道具類

 

⑤ 倒木、落枝

 森や林の中での遊びや作業で気を付けたいのが倒木や枯れ枝の落下。子供の手首程度の太さの枝でも、高いところから落ちてくると重力加速度が付き、直撃したら大けがや致命傷を免れません。焚火やハンモック、キャンプといった遊びを森の中で楽しむときには、まずはぐるりと周囲を見渡して、自分たちの方向に倒れてきそうな枯れ木や、落ちてきそうな枯れ枝などがないかをチェックしましょう。風が強い日はとくに要注意です。

 枯れ木や弱った木を見分ける場合、「周囲の木よりも葉の付き方が少なくて元気がない」「樹皮がはがれたり、虫食いの穴が空いていたりしている」などがポイントになります。

 「小屋を建てる場所が決まっている」など、どうしても枯れ木の近くで作業をする必要があるときは、あらかじめ危険な木を伐採しておくと安心です。ただ枯れ木は幹の内部の繊維が腐っていたりするため、あらかじめ狙った方向に倒すのが難しい場合が多いのが特徴。木の大きさによっては専門の伐採業者などに相談するのが無難です。

 

林道での倒木の処理作業

内部の腐朽が進んだクリの木の切り株

 

 前編後編と二回に分けてご紹介した「フィールドでの危険10選」。

アウトドアでの活動には危険やリスクもありますが、知っていれば防げる事故やけがもたくさんあります。自分が出掛けるフィールドにはどんな危険が潜んでいるか?

しっかりとリスクマネジメントをしながらアウトドアを楽しみましょう!

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