薪ストーブライフを楽しむために必要な薪について深掘りするコラムの後編。
今回は自分で手作りする薪作りの方法を取り上げます。
最初の一歩!玉切り
薪の原料となる原木が手に入ったら、まずは薪ストーブの大きさに合う長さに玉切りします。
この玉切り作業に欠かせないのがチェーンソー。
(チェーンソーの選び方や使い方は2022年12月7日公開のコラム「チェーンソーを使ってみる①自分にぴったりの一台とは? https://fieldmatching.klc1809.com/info/articles/1250 」でご紹介しています!)
ちなみに薪材として人気のナラ類は材質が堅いので、玉切りするときはチェーンソーの刃をしっかりと研いだり、新品の刃を用意したりしておくのがお勧めです。

丸太の玉切りに欠かせないチェーンソー
(写真はバッテリー式モデル、撮影協力=有限会社天女山)
玉切りするときは、あらかじめ決まった寸法の木の枝や定規などを丸太に当て、ノコギリを使って樹皮に軽い切れ込みを入れ、切る位置の目印を付けておくのが効率作業のポイント。
地面に丸太が密着しているとチェーンソーで切りにくいため、丸太を二本並べた「下駄」の上に丸太を並べて切ると切りやすくなります。
太い木の場合は、あらかじめ付けた目印に沿って半分程度、切れ込みを入れておき、その後に丸太を転がして上下を反転させ、最初に付けた切れ込みの中にチェーンソーのガイドバーを突っ込むようにして切り上げると重い丸太を待ち上げなくても玉切りできます。

玉切りはできるだけ楽な姿勢で行いたい
(撮影協力=合同会社TREANT)
薪作りの原点 オノで割る!
玉切りが終わったら、いよいよ薪割り。
大き目の丸太で作った薪割り台を用意し、その上に丸太を置いたら、オノを振りかざして割っていきます。
直径20センチ程度の丸太なら四つ割り、それ以上の太さの場合は一度適当な大きさに割ってから、あらためて細かく割ってサイズを揃えていきます。
太い薪は火が付きにくいですが、長く燃えて火持ちが良いのが特徴。細目の薪は焚き付け用に使います。

全身運動にぴったり?!オノを使った薪割り作業
丸太を上手に割るコツは、オノの刃を鉛直方向に真下に向けて振り下ろすこと。重力加速度による打撃力が丸太に効率よく伝わります。
オノの刃が放物線を描くように振り下ろしてしまうと打撃力が弱まるほか、オノの刃が丸太をすり抜けて自分の足元に当たってしまう可能性があって危険です。
木の節の部分は繊維がねじれていて割りにくいので、どうしても割れないときは怪我防止のためにも、あきらめた方が無難かもしれません。
樹種によって違いもありますが、一般的に玉切りしてから時間が経った木よりも、切ったばかりの生木の方が柔らかくて割りやすい傾向があると言われています。
またグリップ力が高いゴム引きの作業用手袋を付けると握力をセーブでき、オノを振るう手元も狂いにくいので安心感があります。
薪割り作業は慣れないと腕や腰に大きな負担が掛かり、疲れると怪我の危険も増えるため、無理なく少しずつ…がおすすめです。
人力での薪割りでは、オノのほかに、鉄製の薪割り専用のクサビを丸太の上に置き、そのクサビをハンマーで叩いて丸太を割る道具など、さまざまな製品があります。
オノの大きさや種類もさまざまなので、購入前に専門店などでアドバイスしてもらうのがよいでしょう。
身体がラクで効率アップ 薪割り機
油圧式の薪割り機を使うと、労力が大きく軽減されます。
ガソリンエンジンを動力とするタイプは主にプロの薪業者が使っていますが、手動式や電動式の家庭向け油圧式薪割り機も販売されています。
薪作りでケガをしたり身体を壊したりしたら本末転倒。
油圧式の薪割り機は薪ストーブライフの大きな助けになります。
薪割り機は、オノを使う場合と比べて一見安全そうに見えますが、丸太を割るクサビ部分には巨大な力が加わります。
丸太と機械の間に指を挟んだりする事故も起きているため、オノを使った薪割りと同じように、使用には十分な注意が必要です。

ガソリンエンジン式の薪割り機(撮影協力=合同会社TREANT)
実は大事な乾燥期間
丸太を用意してチェーンソーで玉切りし、オノや薪割り機で割ったら薪の完成?
実はその前に割った薪を乾かす工程が待っています。
割った薪は軒下などに積み上げて半年から一年程度乾燥させることで、水分が抜けるほか、木の中に蓄えられたタール分などが揮発して抜けていきます。
しっかりと乾燥させた薪は着火させやすいほか、煙が少なくきれいに燃え、煙突にススがたまりにくいのが特徴です。
割った薪を積み上げる場所は風通しと陽当たりが良い場所がベスト。
トタンやブルーシートなどを掛けておくと雨よけになり、乾燥が進みます。

きれいに燃える薪を作るためにはしっかりと乾燥させることが大切
薪ストックで災害に備えよう
能登半島地震の被災地でも問題となった電気やガスといったインフラへの被害。
こうした災害時にはオフグリッドなエネルギーである薪が活躍します。
薪ストーブで暖をとったり、空き地にかまどを作ったりすれば調理も可能。
水を貯めたドラム缶の下で薪を燃やせば「ドラム缶風呂」になり、お風呂に入ることもできます。

薪用の木を伐採して山から運び出す作業
エネルギーインフラの供給が止まった場合に頼りになる薪。
自分のフィールドを手に入れたら、薪をストックしておくと、災害時の大きな安心感にもつながりそうです。

庭木の手入れで出た剪定枝。こうした枝も薪として使える
(ライター/渕上健太)