自分のフィールドや別荘を手に入れたら、まず楽しみたいのが焚き火。
一方で焚き火は天候やロケーションによっては難しい場合もあります。
今回は場所や天気を選ばずに楽しめるアウトドア用薪ストーブの魅力とさまざまな楽しみ方を取り上げます。
「アウトリビング」という発想
寒い季節のアウトドアでは火の温もりがなによりのごちそう。
近年は冬のキャンプを楽しむひとも増え、ウッドデッキやタープの下、さらに庭先などでも安心して使える薪ストーブも登場してきました。
セレクトアウトドア用品を展示販売する「OUTDOOR LIFE DESIGN Gallery AKENO BASE」(山梨県北杜市)を運営する近藤かねよしさんは、アウトドア用の薪ストーブの魅力をこう語ります。
「冬でも火があればデッキやテラスなどがとても心地よい空間に変わります。しかしガレージなどを含めたそうした半屋外の『アウトリビング』の空間を楽しむ発想が日本ではあまり根付いていません。例えばアウトドア用の薪ストーブを置くことで、そうした場所が、ひとが集まって語らう素敵な空間に変わります」。

「アウトリビング」の魅力を語る近藤さん

「アウトリビング」での薪ストーブ利用で役立つコンパネを使った手作りの風防
近藤さんは、レザー素材を使ったアパレル製品の企画製造に長年携わり、二級建築士の資格も持つデザインの達人。
昨年、北杜市に「AKENO BASE」を構えるまでは都内に住み、山梨や長野に毎月キャンプに来ていたそうです。
一方で東京でも自宅の庭で食事をしたり、七輪を使って調理を楽しんだりしていたといいます。
そうした中で実感したのが、近藤さんが「アウトドアと屋内の中間の場所」と形容するデッキやテラスといった「アウトリビング」の心地よさ。
「そこで火を眺めながら過ごすひとときは時間を忘れるほど素晴らしいものがあります」と話します。
高機能なアウトドア用薪ストーブ
しかしウッドデッキやテラスなどで焚き火をするのは火災の心配があります。
また焚き火の場合、風向きによっては煙を浴びたり、火の粉が飛んでウェアに穴が開いたりしてしまうことも。
そこでキャンプはもちろん「アウトリビング」の空間でも安心して火を燃やすことができるツールとして、薪ストーブに着目したといいます。
そんな中、近藤さんが偶然出会ったのが、精密板金などを長年手掛ける神奈川県の鉄工会社が開発した「FIRE GRAPHIX」ブランドの小型薪ストーブ。
煙突を六分割してストーブ本体に収納できるコンパクト性や、本体前面の耐熱ガラスを通して炎を眺められるデザイン性、二次燃焼システムによる燃焼効率の高さなど「小型ですが家庭用の薪ストーブに匹敵する高性能です」(近藤さん)。

美しい炎のゆらめきを楽しめる「FIRE GRAPHIX」の薪ストーブ

分割収納できる煙突
主力商品の「BLISS-SP」(販売価格107,800円、消費税・送料込み)の場合、本体サイズは家庭用の電子レンジほど。
ほかにもバイクなどにも積めるソロキャンパー用モデルもラインナップされています。
「焚き火と違って風が吹いても火の粉が飛ばないので、化学繊維の服を着ていても生地に穴が開く心配がなく、子供連れでも安心。空気取り入れ口を調整するとオーロラのような美しい炎のゆらめきを眺めることができ、時間がたつのを忘れてしまいます」と魅力を話します。
ロングセラーの薪ストーブも活躍!
一方、「DIYの達人」の伊藤さんはホームセンターで購入した昔ながらの「時計型ストーブ」を改良して、キャンプのときにタープテントの中で使っています。
地面からストーブ本体を離すために、ちゃぶ台のような折り畳み式の脚を付けたり、タープテントから屋外に煙突を出す部分に遮熱版を付けたりするアイデアに伊藤さんのDIYテクが光ります。

伊藤さんオリジナルのキャンプ用薪ストーブ(写真提供=伊藤さん)

寒い時期のキャンプで活躍している(同)
本体や高さ約2メートルの分割式煙突は、市販のプラスチック製ボックスに収まるようにしています。
「これ一台でタープテントの中が驚くほど暖かくなり、上にダッジオーブンなどを載せれば調理もできる優れものです」と伊藤さん。

プラスチック製ボックスにまとめて収納できる(同)
シンプル構造の「時計型ストーブ」は、二次燃焼機能はなく、窓も小さいため炎を眺める目的には適していません。
しかし1万円前後で購入できるコストパフォーマンスと直火の暖かさが大きな魅力。
「地面への延焼を防ぐための脚を取り付けるだけで、安い時計型ストーブが立派なアウトドア仕様に変身します。
折り畳み式の脚はホームセンターで購入できます」(伊藤さん)。
ノスタルジックな外観も他のキャンパーたちの目を引きそうです。
フィールド&災害時にも活躍
近年、人気エリアのキャンプ場は、シーズン中はどこも超満員。
場所によっては冬場も混み合います。
コロナ渦の影響で加熱した空前のキャンプブームの中、近藤さんは「人気キャンプエリアの近くに土地を購入して水道だけ使えるようにして、そこにキャンピングカーを停めて自由な滞在を楽しむひとも出てきました。
そんなスタイルの過ごし方には持ち運びができるアウトドア用薪ストーブがぴったりです」と提案します。

暖房のほかに調理にも活躍する薪ストーブ(同)
電気やガスが止まっても暖房や調理に活躍するアウトドア用薪ストーブ。多様化するアウトドアでの過ごし方で楽しむのはもちろん、万一の災害時にもきっと頼もしい存在になってくれそうです。