土地の開拓はまず道作りから!
気温が高まる春は、凍結していた場所が解けたり、雨が降ったりして地面がぬかるみやすくなります。
特に山林や遊休地は地面が柔らかいことが多く、雨の日などに車を乗り入れると四輪駆動車でも簡単にスタックしてしまうことがあります。そんな土地を利用するときに役立つのが砕石。
今回はフィールドに砕石を敷く方法を取り上げます。

水はけが悪い未舗装の道路にできた車のわだち
砕石とは?
「砕石」とは文字通り、岩を砕いて作られた石のこと。山間部や川沿いの土地を車で走っていると、重機が走り回る横で、破砕機で砕かれた岩石がベルトコンベヤに載せられて山のように積み上げられた広大な施設を目にすることがあります。そこが通称「砂利屋さん」などと呼ばれる砕石工場。多くが川砂などの建設資材も扱っています。
砕石にはさまざまな種類がありますが、フィールド整備で道に敷き詰めたり、駐車スペースを作ったりするときには、一般的に「30~0」(サンジュウゼロ)や「40~0」(ヨンジュウゼロ)などと呼ばれるタイプが使われます。「30~0」は、0~30ミリまでの大きさの砕石で構成され、破砕作業で生じたチリや砂レベルの細かい粒子も含みます。
このため敷き詰めた後に転圧すると、大小さまざまの石や砂などが互いに隙間を埋め合って固まり、強固な地盤になります。逆に粒度が均一な砕石の場合、転圧しても「ジャリジャリ」と互いにずれ合って締まらないので注意が必要です。
ビルなどの解体で出たコンクリートやレンガなどを砕いてリサイクルした「RC」と呼ばれる再生砕石も販売されており、安価で購入できますが、環境面での影響を気にして自宅整備では使わないひともいます。

「30~0」(サンジュウゼロ)の砕石
水はけが悪く、ぬかるみやすい場所の場合は、10センチ程度の「グリ」などと呼ばれる大きめの砕石を敷いた上に、小さい砕石を敷き詰める方法なども取られます。販売業者の方にも相談しながら、フィールドに合った砕石を購入するのがおすすめです。

砕石を敷いて車が通れるようになった林間の道
砕石の調達方法
砕石は砕石工場や建設資材の販売業者などにダンプで買いに行くのが一般的です。 個人で砕石を運搬するときに使われるのは2トンダンプや3トンダンプが中心で、造園業者や工務店などの多くがこのクラスの車両で砕石や砂を運んでいます。こうしたダンプは建設機械のレンタル会社などで借りることができます。
4トンダンプをレンタルすると、2トンダンプの倍程度の砕石を積むことができますが、免許制度の改正により、免許取得時期によっては普通免許では運転できないケースがあります。また2トンダンプや3トンダンプに比べて車格がかなり大きいため、狭い場所での取り回しが難しく、運転にも慣れが必要なので、初めてのひとは避けた方が無難です。
ダンプに乗って砕石工場などに行くと、希望する種類の砕石を専用の重機を使って荷台に積んでくれます。2トンダンプで運べる砕石の量は1立方メートル程度なので、必要な砕石の量をあらかじめおおまかに把握しておき、砕石工場とフィールドを何度か往復して運ぶことになります。
業者によっては自社のダンプを使って配達してくれることもあります。砕石を満載した重いダンプの運転や、ダンプの荷台の上げ下ろし操作に自信がない場合は、多少配送料が掛かっても配達をお願いした方が良いでしょう。また購入する砕石の量が少ない場合、わざわざダンプをレンタルするよりも配達をお願いした方が安上がりになることもあります。また大規模な土地造成などで大量に敷く場合も、4トンダンプや大型ダンプで運んでもらう方が効率的です。

大型ダンプによる砕石の搬入
必要な砕石の量は?ポイントは多めに買うこと!
林業現場で山の中に道を造るときは、10センチ程度の厚みで砕石を敷き、その上を重機で踏み固めて仕上げる方法が取られます。ある程度、下地がしっかりとした土地の場合、砕石の厚さが5センチ程度でも強固な路面に仕上がることもあります。
例えば幅2.5メートルの道に10センチの厚みで砕石を敷く場合、10メートル分を完成させるには、計算上は「2.5×0.1×10=2.5立方メートル」の砕石が必要になります。5センチの厚みで敷く場合は、その約半分の1立方メートル程度となります。
砕石は一度敷いても大雨で流されたり、部分的に陥没したりすることが少なくありません。一方、自家用車で運ぶのが難しいため、足りなくなっても簡単に買い足すことができません。このため多めに買っておき、余った分はストックとして敷地の隅などに積み上げておくと便利です。砕石の価格は工場での引き取りの場合、1立方メートル当たり数千円が一般的です。ホームセンターで20キロ入りなどの小袋入りで買うよりも格段にお得なので、この意味でも「まとめ買い」がおすすめです。
余談ですが、もし自分でダンプをレンタルして砕石を買いに行く場合、時間に余裕があれば借りたダンプを砕石の運搬以外の用途にも使うとコスパが高まります。例えば作業用のガレージ造りに使う屋根用の波板やツーバイ材など、乗用車では運びにくいものを同じ日に購入して運んでしまうことで、無駄なくダンプを使い切ることができます。
砕石の敷き方
① 下地作り
砕石を敷く前に必要なのが下地づくり。地面の表面を覆っている落ち葉や腐葉土、柔らかい表土を取り除いた後、平らにならします。こうした作業はバックホウなどの重機を使って行うのが一般的ですが、人力の場合は「じょれん」や「唐グワ」といった昔ながらの土木作業用の手道具が活躍します。埋もれた石を掘り起こしたり、木の根を切ったりするときには「剣スコ」が便利です。

砕石敷きで活躍する剣スコ、角スコ、じょれん、唐グワ
この下地作りは人力の場合、面積が広いとかなりハードな作業になります。身体一つで道や水路、畑などを造り上げた先達に思いをはせながら、土木作業の原点に汗を流すことになります。
② 敷きならし
下地が出来たらいよいよその上に砕石を敷きます。ダンプに積んだ砕石を降ろす場合、ダンプアップ(荷台を傾けること)の角度を調整したり、荷台後部の開閉部分(アオリ)が半開き状態になるように調整したりしながら、車をゆっくりと前進させて少しずつ砕石をまいていく方法が取られます。
こうすると人力で砕石を移動させる労力を軽減できますが、少しずつ砕石を落としていくにはダンプアップの操作やアオリの開閉調整などにある程度の習熟が必要になります。難しい場合は、敷きたいエリアに何箇所か小分けにして降ろしていくだけでも、省力化につながります。

3トンダンプの荷台を傾けながら砕石を少しずつ降ろす作業

手道具を使った砕石の敷きならし作業
一方、砕石の配達を頼んだ場合は基本的に一箇所にまとめて降ろしてもらうことになります。この場合は、一輪車(ネコ車)などで敷きたい場所まで運ぶ必要があります。砕石を満載した一輪車はかなり重く、特に登り坂では押し上げるのが大変ですが、フィールド整備の第一歩と考えてがんばりたいところです。

砕石を積んだ一輪車
砕石を一輪車などに積むときには角スコップ、地面に敷きならすときには、じょれんやグラウンド整備などで使われる「トンボ」が役立ちます。こうした手道具は古くても使用に問題がないことが多いので、安い中古品に出会えれば手に入れておくと後々、いろいろな場面で役立つでしょう。
③ 転圧
ある程度、均一な厚みに砕石を敷きならしたら、最後に転圧をして仕上げます。この作業には「プレート」と呼ばれるガソリンエンジン式の転圧機が一般的に使われます。プレートは建機リース業者や一部のホームセンターでも意外と低料金でレンタルできます。ただ重さが数十キロあるため、一人だと車の荷台からの積み下ろしが難しいのと、乗用車の場合はワゴンタイプの車以外は、サイズ的にラゲッジスペースにおさまり切らない場合が多い点に注意が必要です。

プレートを使った転圧作業
スペースが広い場所では、車の走行位置を左右に少しずつ変えながらゆっくりと走らせて、タイヤに掛かる車重で転圧することもできます。この方法は走行転圧と呼ばれます。
下地作りや一輪車による砕石運搬といったハードな肉体労働を乗り越えた後の転圧は、いよいよ完成に向けたゴールが見える心弾む作業になるでしょう。
「道普請(定期的な手入れ)」も大切です
今回は砕石敷きの基本的な方法を取り上げました。アスファルトやコンクリート舗装とは異なり、年月が経った砕石敷きの道は景観に馴染み、見る人の心を和ませてくれます。

景観に馴染んだ砕石敷きの道路
一方で舗装道路とは異なり、砕石敷きの道は、車のわだちができたり、雨で砕石が流されたりしやすいため、日ごろのメンテナンスが欠かせません。わだちの補修や陥没箇所への砕石の補充といった「道普請」を続けることで、快適に利用できるようになります。
春はアウトドアで作業をするのにぴったりの季節。フィールド整備の第一歩として、駐車スペースなどへの砕石敷きにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?