乗用車を軽トラ代わりに使うには?

田舎暮らしの必需品「軽トラ」

 

 山林や遊休地を手に入れて自分で整備する場合、チェーンソーや刈払機をはじめ、砕石や砂、DIY用の木材といったさまざまな道具や資材を使います。そうした資機材を運ぶのにぴったりなのが軽トラ。このため田舎ではほとんどの家が所有し、文字通り「足代わり」に使われています。

 乗用車に加えて軽トラをセカンドカーとして持てればベストですが、市街地に住んでいると駐車場確保などの問題でなかなか難しいのが現実。田舎暮らし8年目の自分自身も経済的な理由で軽トラ導入に踏み切れず、SUVタイプの乗用車を工夫して軽トラ代わりに使っています。そこで今回は「乗用車の積載性能を高めて軽トラ代わりに使う方法」を深掘りしてみたいと思います。

狭所や悪路での走破性と積載性能に優れた軽トラ

 

軽トラの代わりに、乗用車の積載量を高めるには?

ラゲッジスペースに積む ①

 クルマに荷物を積むための最もオーソドックスな方法がラゲッジスペースの活用。車種によって形状や広さは異なりますが、最近はハイトワゴンタイプの軽自動車や後部座席がフルフラットになる乗用車など、積載性能を重視したクルマが増えています。

 車内に道具や資材を積むときに気になるのがシートや内装への汚れの付着。特にオイルや切り屑などで汚れたチェーンソーなどの機械類は、シートや内装に少し触れただけでシミが付きます。また樹皮が付いた状態の丸太を載せると車内に樹皮や土などが散乱したり、床が傷付いたりします。

 

 こうした対策として一般的なのがラゲッジスペースに工事用のブルーシートやレジャーシートを敷く方法。ブルーシートは丈夫で防水性があり、値段も手頃です。

 ただ材質がゴワゴワしているため、車内の立体形状には馴染みにくい欠点があります。また軽くて薄く、床との摩擦が少ないため、枕木やコンクリートブロックなどの重量物を載せたり、取り出したりしようとすると、摩擦でずれて動いてしまうことがあります。

 そこで意外と使いやすいのが古い毛布。生地が柔らかくてある程度の重さがあるため、車内形状になじみやすく、荷物を出し入れしても意外とずれにくいのが特徴です。毛布の下に薄手のレジャーシートなどを敷いておけば防水性も確保できます。また生地が厚手のため、車内に傷が付くのも防げます。不用になった毛布は捨てずにクルマに積んでおくと、荷物の運搬時に重宝します。

 ほかに「プラ舟」などと呼ばれる左官用の大型プラスチック容器も道具類や資材類をそのまま入れられるので便利です。

大型の「プラ舟」も車内を汚さずに便利

 

プラ舟などの丈夫なプラスチック容器を使った川砂の運搬風景

 

ラゲッジスペースに積む ②

 毛布やシート類も手軽ですが、車種ごとに専用設計されたトランクトレイやラゲッジトレイも便利です。メーカー純正品もありますが、ネットで検索するとSUVタイプのクルマを中心にさまざまな製品が販売されています。

 オススメは平らなシート型ではなく、縁の部分が少し立ち上がっている立体構造のタイプ。荷物に付いた土や砂などが車内に散乱せず、シート内の汚れがたまったら車内から引き出せば簡単に掃除ができます。DIY用品やアウトドア用品などを頻繁に載せるひとにも便利なアイテムです。

ラゲッジスペースへのフィット感に優れたラゲッジトレイ

 

屋根に積む ①

 クルマのもう一つの積載スペースが屋根。近年のキャンプブームを受けて、デザイン性に優れた海外製のルーフキャリアを付けたクルマを目にすることが増えました。大型の収納ケースやクーラーボックスなどを載せやすいバスケット型が人気のようです。

 ただ木材やハシゴといった長尺物や不定形物の運搬を考えると、バスケット型よりもシンプルなベースキャリアだけの方が汎用性が高まります。

ただ荷崩れには十分な注意が必要。走行中に荷物が動きにくいように、ベースキャリアに自転車用の古いタイヤチューブを巻きつけたり、キャリアの前後をつなぐサイドバーを付けたりすると安定します。

工夫次第でさまざまな荷物を載せられるベースキャリア

 

 車外に荷物を積む場合は、前後にはみ出す長さがクルマの全長の10%以内に収まるようにすることが法律で定められているので注意が必要です。

 

屋根に積む ②

 欧米を中心に昔から使われてきたルーフボックスも、なかなか使い勝手が良い積載グッズといえます。何より荷物が雨に濡れず、鍵付きのため盗難の心配もなく、さらに走行中に荷物が転落する危険もないのが大きな特徴。用途に応じてさまざまな容量や形状のタイプが販売されています。

 ただルーフキャリアと同様に、屋根が高いクルマの場合、脚立や踏み台がないと荷物を積み降ろしにくいデメリットがあります。また車高が高くなるため、立体駐車場や洗車機に入れない場合があるので注意が必要です。

荷物の転落や雨による濡れ、盗難などを心配せずに使えるルーフボックス

 

 私自身は愛車にベースキャリアを装着し、全長約2メートルの縦長のルーフボックスを屋根の左側半分に載せています。見掛け以上に容量が大きく、スーパーの買い物カゴやループハンドルタイプの刈払機も収納できてとても便利。汚れても内部を丸洗いできるため、スコップやクワ、ブルーシートなどの汚れ物を入れるスペースとしても重宝しています。もちろん釣竿やスキー板といった遊び道具の運搬にも適しています。

 縦長のルーフボックスの場合、屋根の左右どちらかに寄せて取り付けると、もう片方はベースキャリアとしてそのまま使えるのでハシゴなどの長尺物も運べて便利です。

 

ヒッチキャリアに積む

 車外に荷物を積むもう一つの方法がヒッチキャリア。聞きなれない言葉かもしれませんが、車体後部に付けた牽引用のヒッチメンバーに差し込んで取り付けるキャリアです。アメリカではポピュラーのようですが、日本で使っているひとはまだ少数。高い位置にあるルーフキャリアよりも荷物を出し入れしやすく、ルーフキャリアやルーフボックスと組み合わせることで、積載能力が倍増します。

 最近、愛車にヒッチメンバーを取り付け、ヒッチキャリアを購入しました。伐採の仕事に出掛けたときなどに、薪材や庭造りの材料などとして、現場で出た切り株や短い丸太を自宅に持ち帰ることがあります。これまではラゲッジスペースに積んでいましたが、やはり車内の傷や汚れが気になり、思い切って導入しました。

 

 幅156センチ、奥行き65センチのバスケット型のタイプで、カタログによるとなんと約230キロまで積載可能。ただキャリア取り付けのベースとなるヒッチメンバーの最大垂直荷重をカタログで調べると、わずか75キロ。さらにヒッチキャリアは鉄製で重さは約30キロあります。ということは、ヒッチキャリアの上には45キロ程度の荷物しか載せられない計算に…。

ヒッチキャリアはどうやら「あまり重くないかさ張るモノ」を載せるのに適した道具のようです。ただキャンプ用品や自転車など遊び道具もいろいろ載せることができるので、使い方を工夫して積極活用したいと思います。

大型だが積載重量に注意が必要なヒッチキャリア

 

ほかにヒッチメンバーの活用には、荷物専用の「カーゴトレーラー」を牽引する方法があります。カーゴトレーラーは扱っている業者が少なく、また車検が必要になるなど所有のハードルが一段上がりますが、これを使えばまさに「軽トラ並み」の積載能力を実現できます。

 

積載している時は急ブレーキに注意

 ルーフキャリアへの積載はもちろん、車内に荷物を積んだときも、注意したいのが運転です。急ブレーキや急ハンドルは荷崩れにつながり危険です。自分自身の失敗談は、愛車の車内に金属製の屋根用波板3枚を無理やり積み込んだときのこと。ヘッドレストを外した助手席の上に片側を載せる形にしていたのですが、信号で急ブレーキを踏んだときに波板が前方に飛び出し、ダッシュボードにぶつかって大きな傷を付けてしまいました。

 これがもし自分の身体やフロントガラスに当たっていたら…と考えるとぞっとします。とくに急カーブが多い山間部や未舗装路ではゆっくりと運転したいものです。

ルーフキャリアに載せるときは荷物の転落に注意したい

 

余談、それでもやっぱり軽トラは便利

 自分自身の経験に照らしながら、「乗用車を軽トラ代わりに使う方法」を取り上げました。しかし軽トラの積載性能や機動性には及ばない…。というのが正直な感想です。またルーフキャリアやヒッチメンバー、ヒッチキャリアの購入や取り付けで合計15万円程度の出費に。さらに仕事で林道などの悪路に入ると、クルマのお腹が岩などに当たることがあるため車高を上げるリフトアップを施した結果、その倍以上の出費を迫られることになりました。今後、もしカーゴトレーラーを導入すると支出はますます膨らみ「軽トラを買った方が安上がり」という本末転倒の結果になりかねない予感…。

 

ただ経済性や実用性のほかに、リフトアップやヒッチキャリアの装着などでカスタマイズしていくのはクルマへの愛着が増す面白さがあります。

日本の田舎では軽トラが主流ですが、4人乗車でき、後部座席を倒すと広い荷室を確保できる軽ワゴンを利用するひとも多くいます。またアメリカではRV車とトラックの機能を合わせたダブルキャブのピックアップトラックが日本の軽トラ的に使われています。

クルマや積載用パーツの選び方は十人十色。大切なのは実用性はもちろん、気分が上がるクルマや装備を自分なりに追求していく気持ちかもしれません。



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