山林などのフィールド整備で活躍するのがチェーンソー。
木を伐り倒す道具としてのイメージが強いですが、使いこなせばほかにもいろいろな場面で活躍してくれます。
今回はチェーンソーの種類や特徴を紹介します。
ソーチェーンで伐る
チェーンソーは文字通り、チェーンの形をした刃(ソーチェーン)をエンジンなどの動力で高速回転させて木を伐る機械。
金属製のガイドバーにソーチェーンを取り付けて使います。
エンジンの排気量は30CC程度の小型から70CC以上の大型までさまざま。
ガイドバーの長さも12インチ(約30センチ)程度の小型から20インチ(約50センチ)の大型までさまざまな種類があります。
一般的な2サイクルエンジン搭載のタイプは、刈払機と同様にエンジンオイルを添加した混合油を燃料に使用。
さらに燃料とは別に、ソーチェーンの回転を円滑にするためのチェーンオイルを本体に注入して使います。
始動方法は刈払機とほぼ同じで、チョークレバーを閉じてスターターひもを引き、初爆を確認したらチョークを開けてエンジンを始動。
一度アクセルを握って回転を上げた後、アイドリング状態のままで数分間、暖機してから使い始めます。
キャブレター系統に燃料をあらかじめ送り込むプライマリーポンプを搭載している機種も多く、この場合は最初に10回程度、プライマリーポンプを押し込んでからチョークを閉じてスターターひもを引きます。
ソーチェーンは使っているうちに切れ味が落ちます。
特に土や砂が付いている丸太を伐ったり、間違って刃を石に当ててしまったりするとすぐに刃先が鈍ります。
このため、使用後は丸ヤスリなどでソーチェーンの駒を一つずつ研いで、切れ味を復活させます。
刃の目立て作業は意外と奥深く、慣れないとなかなか「切れる刃」に仕上げられません。
ソーチェーンの目立てについては、あらためて取り上げたいと思います。

さまざまな種類のチェーンソー。手前は排気量40CC、奥は50CCのモデル

慣れないと意外と難しいソーチェーンの目立て作業
自分の体格や用途に合ったモデルを選ぶ
チェーンソーを使う作業では「木の伐倒」と「丸太の玉切り」がメインとなります。
伐倒したり、玉切りしたりする木が太いほど、大型のチェーンソーを使うと早く楽に伐ることができます。
例えば直径40センチ以上の丸太を何本も伐る場合は、排気量が40CC以上の機種に16インチ(約45センチ)以上のガイドバーを取り付けて使うと、パワー不足などを感じずに余裕を持って伐ることができます。
ナラやケヤキといった比較的堅い木を伐るときも、排気量がある程度大きい機種を使った方が手や腕への負担を減らせます。
逆に直径15センチ程度の細い木であれば、30CC程度の小型軽量タイプを使った方が疲れにくいでしょう。
どんな木をメインに伐るのか?そして一度に伐る本数はどの位か?チェーンソー選びの際に考慮したいポイントです。
もう一つ重要なのが使う人の体格や体力。
エンジン式のチェーンソーの場合、例えば40CC程度の排気量のモデルでは4.5キロほどの重さになります。
最初はハンドルを握って持つだけでずっしりと重く感じてしまい、「とても扱い切れない…」と敬遠してしまうひともいます。
18インチ(約45センチ)のガイドバーが取り付けられた50CCのプロ用チェーンソーをネットで購入したものの、「重過ぎて使えない」と、購入後すぐに中古で売りに出したシニア世代の知人もいました。
小柄な女性の場合も特に軽さが重要なポイントになります。
購入前に販売店などで実際に持ってみて、重さや全体のバランスなどを確かめてみるのがおすすめです。
ただ最初は重く感じても、使っているうちに腕の筋肉や背筋が付いて慣れてくるのも事実。
チェーンソー作業を筋トレやフィットネス感覚でとらえても良いかもしれません。

使い方や体格に合った機種を選びたい
チェーンソーの形状には、右手で握るスロットルトリガの取り付け位置によって「リヤハンドルタイプ」と「トップハンドルタイプ」の二種類があります。
伐倒や玉切りには、一般的にリヤハンドルが使われており、市販品の多くがこのタイプです。
一方、トップハンドルタイプは小型で軽量なため、主に農家による果樹のせん定や枝打ち、ロープを使った樹上での特殊伐採作業などで使われています。
ただ太い木の伐倒や玉切りでは、スロットルトリガやグリップ位置の特性上、リヤハンドルタイプと比べて体勢を安定させにくく、使いづらい面があります。

小型軽量のトップハンドルタイプのチェーンソー
広がるバッテリー式
スイッチ一つで始動し、面倒な混合油作成の手間もなく、エンジン式と比べて騒音が少ないなどの利点があるのがバッテリー式チェーンソー。
家電感覚で使える手軽さが大きな魅力です。
例えば都心との二地域居住で、週末だけフィールドに通う場合などは、燃料の保管に気を遣う必要がなく、クルマに載せてもエンジン式と比べて車内の汚れが少ないといったメリットがあります。
このため女性を中心に、初めてのチェーンソー購入者でバッテリー式を選ぶひとが増えてきました。
機種によっては40センチ程度の丸太でもエンジン式と比べて遜色なく切れるパワーや切削能力があります。
ただ、屋外では充電が難しいため予備バッテリーの携行は必須。
高価なバッテリーをいくつも買い揃えて持ち運ぶコストや手間を考えると、長時間使う場面では、まだまだエンジン式に分があると言えそうです。
とはいえ、刈払機やブロアーなど他の林業系機械と同じように、メーカー各社が新機種投入に力を入れており、バッテリー式を選ぶユーザーは今後も増えそうです。

種類が増えているバッテリー式チェーンソー
右は16インチ(約40cm)のガイドバーが取り付けられたタイプ(撮影協力・有限会社天女山)
安全機能もチェック
見た目では分かりにくいチェーンソーの安全機能に「防振性能」と「チェーンブレーキ」があります。
防振性能は使用時の振動が両手に伝わるのを防ぐ機能。
丈夫な金属製のバネなどをハンドル部分などに取り付けることで振動を吸収させ、長時間使用による指や手首などへの負担を減らし、振動障害を防ぎます。
プロ用モデルでは基本的に問題ありませんが、廉価品の場合、防振性能が不十分で、しびれるような振動が両手に伝わってくる機種もあります。
しっかりとした防振性能を備えているかどうかもチェックしたいポイントです。
また年代物の機種や中古品の場合、防振性能が不十分だったり、防振用のバネが金属疲労で折れて故障したりしているケースもあるため注意が必要です。
チェーンソーの刃がキックバックした際などにソーチェーンの回転を自動的に止める機能がチェーンブレーキ。
キックバックとはチェーンソーの刃先が丸太に当たったときなどに、ガイドバーが手前(作業者)側に勢いよく跳ね上がる現象で、重大事故につながる可能性があります。
チェーンブレーキ搭載モデルは、ガイドバーが跳ね上がった瞬間に前ハンドルを握っている左手の手首などがブレーキレバーにぶつかることで、自動的に刃の回転がロックされて止まる仕組みになっています。
再び使うときは、ブレーキレバーを手前に引いてロックを解除します。
ほとんどの機種に搭載されていますが、廉価品の場合、まれに付いていない場合もあるのでこちらもチェックしたいポイントです。

チェーンブレーキのブレーキレバー
どこで買うか?
チェーンソーは「どんな機種を買うか?」という選択に加えて「どこで購入するか」も大事なポイントになります。
故障や不具合が出た場合に、安心して修理に出せるかどうかに関わるためです。
メーカーの正規代理店で購入すれば問題なく修理対応してもらえますが、ネットで並行輸入品を買ったり、フリマサイトで購入したりした場合は要注意。
販売店によっては自分の店で購入していない機械の修理を快く受け付けてくれないこともあります。
これは刈払機など他の機械でも同様です。

修理や点検を安心して頼めるお店を探しておきたい
購入した後に故障やトラブルが起きた場合、どこのお店に相談すれば快く対応してもらえるか?
ユーザー同士の口コミなども参考にして、安心して修理を依頼できる地元の農機具屋さんなどを事前に把握しておくと心強いでしょう。