フィールドで大活躍! 覚えて得するロープワーク10選 後編

荷物を固定する、丸太を運ぶ、木にハンモックを掛ける…。季節を問わずフィールドでのいろいろな作業で役立つのがロープ。一本のロープをさまざまな道具に変身させるための「ロープワーク10選」の後編では、ハンモックやツリークライミングなどフィールドでのアクテビティでも活躍する五つのロープワークをご紹介します。

アクテビティで活躍する五つのロープワーク

「南京結び」 軽トラを使うならコレ!

軽トラの荷台に長いハシゴなどを積み込んで固定するときの定番の結び方が南京結び。例えば「ホームセンターで買った3メートルの柱材を軽トラで家まで持ち帰りたい」といった場合、荷台には収まり切れないため、斜めに立てかける形になります。そんなときもロープ一本あれば南京結びで荷台に荷物をガッチリと固定できるため、ぜひ覚えたい結び方です。

 

ただ南京結びは基本的に、荷台にロープを固定するための丈夫なフックが付いているときに適した結び方。それ以外の場面ではあまり登場機会がありません。普段から軽トラに乗って南京結びを使っていれば良いのですが、友人などから軽トラを借りて久しぶりにハシゴなどを荷台に固定しようとすると結び方を忘れてしまっていることがあります。間違った結び方をすると、走行中に荷台から荷物が転落する危険も。自信がなければラチェットベルトなどの固定器具を使って固定するのが安心です。

丸太や冷蔵庫などの重いものを軽トラの荷台に積む際も、ラチェットベルトなどで固定する方が安全です。なお南京結び、ラチェットベルトとともに、走行中の揺れなどで積んでいる荷物が動き、ロープやベルトに緩みが生じることがあります。長距離を走るときなどは荷物の脱落防止のため、一度途中で停車して、緩んだロープなどを増し締めしましょう。

 

 

軽トラの荷台に荷物を固定するときに欠かせない南京結び

 

「ガースヒッチ」 結び目を「絞り込む」にはコレ!

短いロープの末端同士をフィッシャーマンズノットなどでつないで輪にしたスリングや、末端に輪を作ったロープを使うときに多く使われる結び方がガースヒッチ。荷重を掛けると結び目を絞り込める特性を利用して、さままざまな場面で活躍します。

例えばフィールド整備やキャンプなどで薪を集めるときは、向きをそろえた木の枝をたくさん積み上げて、長めのスリングを下に通し、枝の根元同士をガースヒッチで絞り込みます。ロープの余った部分を手で握って地面を引きずりながら運ぶと、少ない力で一度に驚くほどたくさんの枝を運ぶことができます。

 

スリングをガースヒッチで丈夫な杭や立木に結び付けると、信頼できる支点になる

 

手軽に吊るすハンモック♪

子供にも大人にも人気のハンモックは、森の中のフィールドで是非楽しみたい遊びのひとつ。ハンモックを木に吊るすための結び方は意外と簡単。ポイントは木とハンモック本体をつなぐために用意するロープの選び方です。基本的に丈夫なロープなら何でも使えますが、よじれや摩擦に強く、しなやかなナイロン製の7ミリ程度の細引き(パワーロープ)がおすすめ。メートル単位の切り売りがネットでも販売されており、長めのものを用意しておけば、木と木の間隔が広い場所でもハンモックを楽しめます。

ハンモックを木の間に吊るす方法はいろいろありますが、ハンモックメーカーのサイトなどで紹介されている方法が結びやすく、ほどきやすいのでおすすめ。長い細引きを使うときは折り返して二重にして、ガースヒッチで立木に結束する方法が簡単で、強度も高まります。

 

二重にした細引きをガースヒッチで立木に結び付け、ハンモック本体側は引き解け結びで結束した例

 

「フリクションヒッチ」 ツリークライミングが身近に!

「結ぶ」「輪をつくる」など、これまで紹介してきたロープの使い方と少し異なるのが、ロープ同士を巻きつけることで生じる摩擦を利用するフリクションヒッチ。主にロープを使って木登りや岩登りをしたりするときに使われますが、覚えておくといろいろな場面で役立ちます。フリクションヒッチの特徴は結び目に荷重が掛かると締まり、荷重が緩むと結び目の位置を前後に動かせる点。この働きによって、ロープを使って木の上などに上ったり、降りたりすることができます。

フリクションヒッチを使うときは細引きの末端同士をダブルフィッシャーマンズノットでつないで輪にした「スリング」を作り、メインとなるロープに結び付けるのが一般的。スリングの長さは60センチ程度が使いやすいでしょう。

代表的なフリクションヒッチが「プル―ジック」と呼ばれる結び方。ただプル―ジックは強い荷重が掛かると、結び目が固く締まってしまい、荷重を抜いても緩めにくくなることがあります。

一方、スリングをメインのロープにグルグルと巻きつけて上下の末端をカラビナでまとめる「マッシャー結び」は簡単にセットでき、強い荷重が掛かった後でも荷重を抜けば簡単に結び目を移動できます。カラビナを外せば一瞬でほどいて回収できる点も便利です。ただメインロープへの巻きつけ回数が少なかったり、ロープ同士の直径の差が少なかったりすると十分な摩擦が得られない場合があり、注意が必要です。

 

実用性が高いフリクションヒッチの「マッシャー結び」

 

「倍力システム」 イザというときに◎

主に樹木の伐倒や山岳レスキューなどで使われるのが動滑車の原理を使った倍力システム。専用の滑車やプーリーがなくても、カラビナとスリングだけでも簡単に仕組みを作れるので覚えておくといざというときに役立ちます。林道などで車の通行の邪魔になる木の枝や細目の木を一時的にロープで引っ張って曲げたいときも、この仕組みを使うことで、少ない力で大きく曲げることができます。

 ほかにも小屋の建設で重い資材を梁の上に引き上げたり、重い丸太をトラックの荷台に積んだりするときなど工夫次第で用途はさまざま。アンカー(支点)を介して対象物を引っ張ったり、引き上げたりするのがポイントです。

 

カラビナとプーリ―を使い、対象物の重さの三分の一の力で引き寄せられるようにした倍力システム。

手前のロープを引くと片手で車を動かすことができる。ロープには可動できるマッシャー結びを介してカラビナとプーリーを連結している。

 

室内ロープワーク練習のすすめ

ロープの結び方はたくさんの種類を覚えておくと、いろいろな場面で役立ち、仲間にも自慢できます。しかし実際のフィールド整備やキャンプなどで使う結び方は多くても3~5種類程度。まずは、いろいろな場面で汎用的に使える実用的な結び方を確実に覚えるのがおすすめです。

今回ご紹介したロープワークはいずれも代表的なもので、ロープワークの本などで結び方が紹介されています。またネットで検索をすると結び方を紹介する写真や動画がたくさんアップされています。自宅で結び方を覚えるときはテーブルや椅子の脚、ドアノブなどにロープを掛けたり、巻き付けたりしても練習できます。短めのロープを室内に一本置いておくと、思いついたときにいつもで繰り返し練習できて便利です。雨の日などに子供や友人たちと一緒に「室内ロープワーク講習」を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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